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2025.06.04
印刷方法を選ぶ際、「シルクスクリーン印刷はフルカラーに対応しているのか?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。特にWebで調べると「できる」「できない」と意見が分かれていて、混乱するケースもあります。
結論から言えば、「シルクスクリーン印刷でもフルカラー表現は理論上可能」ですが、実際の運用面では現実的でないことが多く、別の印刷方式を選ぶのが賢明です。この記事では、印刷方式ごとの仕組みやフルカラー対応の可否、そしてシルク印刷が最適な場面について詳しく解説していきます。
目次
印刷業界では、デザインに使われる「色の数」を表すときに「色数(いろかず)」という言葉を使います。たとえば「1色印刷」は黒や赤など単色だけで構成された印刷、「2色印刷」は黒+青など2つのインクを使った印刷という意味です。
この色数は、印刷方式の選定や見積もりにも大きく関わってきます。というのも、印刷方法によっては「1色増えるたびに製版コストや作業が増える」ため、色数が多いと費用や手間が跳ね上がってしまうからです。
たとえば、シルクスクリーン印刷では1色ごとに専用の版が必要になるため、4色使うフルカラー印刷を行うには4つの版を作る必要があります。反対に、デジタル印刷のようにCMYKを同時に噴射できる方式では、色数の制限を受けにくく、写真のような印刷にも対応しやすい特長があります。
「フルカラー印刷」とは、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色を組み合わせて、数万~数百万色もの色合いを再現する印刷方式のことを指します。4色のインクを微細な点(網点)として重ね合わせ、人の目に“色のグラデーション”として見えるようにしています。
この技術は、写真やグラフィック、グラデーションを多用したデザインを美しく再現するために欠かせません。印刷物の90%以上がこのフルカラー印刷で制作されているとも言われ、もっとも一般的な印刷方法のひとつです。
なお、CMYKの4色に加えて、RGB(赤・緑・青)という表現もありますが、こちらはモニターやディスプレイなど光の三原色で構成されるものであり、印刷には使われません。印刷物は“紙にインクをのせる”という物理的な方法で色を表現するため、「CMYK=印刷の4原色」が基本となります。
補足として、特色(スポットカラー)を使った「特色印刷」もあります。これはPANTONEやDICなどの既製カラーガイドにある特定の色インクを使う方式で、フルカラーにはできない“ピンクゴールド”や“蛍光グリーン”などの表現が可能です。
まとめると、「フルカラー印刷」は多彩な色を表現するためにCMYKの4色を使っている印刷方式であり、「色数=4色以上」となります。一方、ロゴや注意表示などには「1色」や「2色」でも十分な場合も多く、印刷物の目的に応じて適切な色数・印刷方式を選ぶことが重要です。
シルクスクリーン印刷(通称:シルク印刷)は、インクを“版”を通じて素材に直接刷り込む「孔版(こうはん)印刷」という方式の一種です。印刷したい図柄以外の部分を塞いだメッシュ状の版(スクリーン)を使い、インクを上からスキージ(ヘラ)で押し出すことで、図柄の部分だけにインクが通過し、下の素材に転写される仕組みです。
この「孔版(インクが通る穴のある版)」を使う構造こそが、オフセット印刷やインクジェット印刷などとは大きく異なる点です。刷る対象となる素材に直接インクをのせるため、インクの厚みを出しやすく、くっきりとした発色が得られるのが特長です。
また、版に使われるスクリーンはかつて絹(シルク)で作られていたことから「シルクスクリーン」と呼ばれていますが、現在では主にポリエステルやナイロンなどの合成繊維が使用されており、目の細かさ(メッシュ数)によってインクの表現や線の精度が調整されます。
シルク印刷は、1色ごとに版を用意して印刷するため、多色やフルカラー表現にはやや手間がかかりますが、その分、素材の特性に応じて「使うインク」や「刷る力加減」を調整しやすく、印刷対象に柔軟に対応できるという利点があります。
たとえば、紙や布、木材、金属、プラスチック、ガラスなど、平滑なものからやや凹凸のある素材まで対応可能です。そのため、ノベルティグッズや工業用パーツ、屋外看板など、さまざまな場面で活用されています。
要するに、シルクスクリーン印刷は「版を通してインクを刷り込む」「インクの盛りを自在に調整できる」「幅広い素材に対応できる」――これらの特徴を活かした、非常に汎用性の高い印刷方式といえます。
シルク印刷についてもっと詳しく知りたい方は以下のページもあわせてご覧ください。
>>シルク印刷とは
>>シルク印刷のメリット・デメリットを徹底解説!
>>シルク印刷でグラデーションはできる?
「シルク印刷でもフルカラーが可能」と耳にすることがあります。確かに、理論的にはシアン・マゼンタ・イエロー・ブラック(CMYK)の4色分の版を作成すれば、フルカラー表現を行うことは可能です。しかし、これは現実的にはあまり採用されていない手法です。
理由は大きく2つあります。1つは、色ごとに版を作る必要があるためコストと手間が大きいこと。もう1つは、精密な版ズレ調整が必要なため量産時に技術的な難易度が高いという点です。数十枚〜数百枚の印刷であっても、フルカラー再現には非常に繊細な職人技と安定した設備が求められます。
また、シルク印刷は本来「1色ごとに印刷する」工程のため、1枚ずつ色を重ねるごとに乾燥・位置合わせが必要です。そのため、グラデーションや写真のようななめらかな色変化を求めるデザインには、どうしても向いていません。
そこで現実的な選択肢となるのが「UVインクジェット印刷」です。UVインクジェット印刷は、CMYKのインクをインクジェットで直接吹き付け、紫外線(UV)で瞬時に硬化させる技術です。版を必要とせず、デジタルデータをそのまま印刷できるため、フルカラーや写真表現をスムーズに実現できます。
また、UVインクは乾燥が早く、ガラスやアクリルなどの非吸収素材にも比較的密着しやすいため、シルク印刷では難しいような細かい図柄も、短納期かつ安定した品質で出力が可能です。特に屋内装飾や短期サイン、POPなど、表現の自由度を重視するシーンで活躍しています。
つまり、フルカラー印刷が必要な場合は、無理にシルク印刷で再現を目指すのではなく、用途に応じてUVインクジェット印刷を選ぶほうが合理的です。シルク印刷はあくまで「高発色な単色表現」「耐久性が重視される場面」に特化して選択するのがベストと言えるでしょう。
シルクスクリーン印刷は、インクを素材に厚く盛ることができるため、高い発色と耐候性が求められる場面で特に力を発揮します。一般的に、単色または少数色のロゴやアイコンを「しっかり・長く・くっきり」見せたい用途に最適です。
たとえば、屋外環境に設置される看板やプレート、現場用の安全表示や警告サインなどは、雨風や紫外線に長期間さらされるため、耐久性の高いシルク印刷が選ばれます。また、インクの厚みが出るため、視認性が高まり、遠くからでも文字やマークがはっきりと認識されやすくなります。
さらに、腕章・ゼッケンといった布製品や、木材・金属・プラスチックといった凹凸のある素材への印刷にも対応可能で、他の印刷方式では難しい素材でも柔軟に対応できる点も強みです。
以下のような用途では、シルク印刷の性能が特に活きてきます:
このように、耐久性・視認性・素材対応力に優れたシルク印刷は、派手な表現よりも「確実で印象的な表示」が求められる現場で多く採用されています。フルカラー表現には不向きな面もありますが、その分、単色印刷では他の方式にはない仕上がりと品質を提供できるのが大きな魅力です。
ここでは、実際に当社が手がけたシルクスクリーン印刷の製作事例をご紹介します。用途や素材に応じて適切なインクや印刷条件を選定することで、シンプルなデザインでも高い視認性や耐久性を実現しています。ぜひ、仕上がりイメージの参考としてご覧ください。
こちらは、イベントや展示会などで配布されることの多いビニールバッグに、白インクでロゴと文字を印刷した事例です。ベースが鮮やかなブルーグリーンのため、白インクの発色が際立ち、企業ブランディングとしても高い視認性を確保しています。ロゴのシャープな再現性やベタ面のムラのなさなど、シルク印刷の強みがよく現れている事例です。
続いてご紹介するのは、ビニール素材の腕章への印刷事例です。屋外での使用を想定し、耐久性の高い素材とインクを用いて、白1色で「広報部」の文字をしっかりと印刷しています。文字の縁もくっきりと表現されており、耐水性・耐候性に優れたシルク印刷ならではの仕上がりです。実用性と視認性を両立させた、機能重視の用途にも適した印刷方式であることがわかります。
印刷物を製作する上で、「どんな表現をしたいのか」「どんな素材に印刷するのか」「どの程度の耐久性が必要か」など、目的に応じた印刷方式の選定は非常に重要です。シルクスクリーン印刷は、インクの盛りが良く、素材にしっかりと定着することから、視認性や耐候性を重視する単色印刷に非常に適しています。
一方、フルカラー表現が必要な場合は、デジタルデータから直接出力できるUVインクジェット印刷などを選択する方が、効率面・再現性の両面で優れた結果を得られるでしょう。印刷方式にはそれぞれ得意分野がありますので、「万能な一択」ではなく、「目的に応じた最適な手法」を見極めることが、高品質な印刷物を実現する鍵となります。
当サイトでは、シルク印刷の特性を熟知したスタッフが、製作物の用途や素材に応じて、最適な印刷方法をご提案いたします。ご不明点やお見積もりのご相談など、お気軽にお問い合わせください。
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