創業50年を超えるシルクスクリーン印刷の専門店
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2025.06.03
目次
透明で美しい質感を持つガラスは、インテリアや案内サイン、装飾性の高い製品など、さまざまな用途で利用されています。そんなガラスにロゴや文字、イラストなどを印刷したいと考えたとき、有力な選択肢となるのが「シルクスクリーン印刷(シルク印刷)」です。
シルクスクリーン印刷は、メッシュ状の版を使ってインクを素材に直接刷り込む印刷方式で、木材・金属・布など多様な素材に対応できる汎用性の高さが魅力です。ガラスのように滑らかでインクの定着が難しい素材にも、適切なインクと前処理を施すことで対応が可能です。
シルク印刷の詳細については、以下ページで印刷工程を写真付きでご紹介していますので、あわせてご覧ください。
>>シルク印刷とは
ガラスへの印刷は、店舗や施設のウィンドウサイン、建材としてのデザインガラス、記念品やノベルティ、表札など、実用性とデザイン性を両立させた用途で活用されています。本記事では、シルク印刷でガラスに印刷する際の仕組みや特徴、注意点、活用事例などを詳しく解説していきます。
ガラス素材に印刷を施す際には、インクの密着性、発色の鮮やかさ、耐久性といった複数の要素を高水準で満たす必要があります。その点で、シルクスクリーン印刷は非常に優れた適性を持つ印刷方式です。インクを厚く盛ることができるため、透明なガラス面でも色が沈まず、くっきりとした発色が得られます。また、使用するインクの種類を変えることで、屋外環境にも耐えられる強い耐候性を実現することも可能です。以上のような背景を踏まえ、ガラス素材にシルク印刷が適している理由を整理してご紹介します。
1. インクの定着力が高い
ガラスは一般的にインクが定着しにくい素材ですが、シルク印刷では専用のガラス用インクを用いることで、十分な密着性を確保できます。特に二液反応型インクや熱硬化型インクを使えば、印刷後にしっかりと硬化し、摩擦や洗浄にも強い仕上がりになります。印刷前に表面を脱脂・洗浄するなどの前処理を行うことで、より安定した定着が期待できます。
2. 多彩な色表現が可能
シルク印刷は、ベタ塗りやシャープな線・ロゴの再現に適しており、ブランドロゴや施設名、注意表示など視認性の高いグラフィックに向いています。また、特殊インクを活用することで、金・銀などのメタリックカラー、ラメや蛍光色、マット調インクなど、装飾性の高い仕上げも可能です。これにより、ガラスという高級感のある素材に対して、機能性とデザイン性の両立が図れます。
3. 高い耐候性と耐久性
ガラスは屋外や高温多湿の環境でも使用されるケースが多いため、印刷には耐候性が求められます。シルク印刷では、耐候性・耐水性に優れたインクを使用することで、紫外線や風雨にも強い長期耐久性のある印刷が可能です。これにより、屋外サインや建築用の装飾ガラスにも安心して活用できます。
ガラスは滑らかで非吸収性の素材のため、印刷にはいくつか注意点があります。印刷前の下処理や使用するインクの選定、印刷後の定着処理など、工程ごとに丁寧な対応が求められます。
1. 表面の脱脂・洗浄
ガラス表面に油分やほこりが残っているとインクが定着しにくくなるため、まずは脱脂剤でしっかりと洗浄する必要があります。指紋や微細な汚れが印刷トラブルにつながることもあるため、清潔な状態を保つことが重要です。
2. 密着性の高いインクの使用
一般的な油性や水性インクではガラスへの定着が不十分なため、専用のガラス用インクを使用します。UV硬化型や焼き付け型のインクが一般的で、乾燥後には耐水性・耐候性を備えた仕上がりになります。
3. 必要に応じた加熱処理
ガラス用のインクには、熱硬化型や二液反応型など、加熱処理を行うことで密着性や耐久性を高めるタイプがあります。こうしたインクを使用する場合、適切な温度と時間での焼き付け工程が必要です。業務用の熱処理装置を用いて、200℃前後で30分程度の処理を行うのが一般的で、インクの物性や使用環境に応じて調整されます。しっかりと熱処理を施すことで、屋外環境にも耐えうる耐久性が確保できます。
4. 細かすぎるデザインは不向き
ガラス印刷で繊細なグラデーションや写真のような表現を行うのは難しく、シルク印刷ではロゴや文字、アイコンのようなシンプルな図柄が最も効果的です。
5. ガラス素材の取扱いに関する注意点
ガラスは見た目に美しい一方で、非常に割れやすく、取扱いには細心の注意が必要な素材です。印刷作業の前後を問わず、搬送時の衝撃や落下には十分な対策が求められます。特に薄型や大型のガラスは破損リスクが高いため、専用の冶具(じぐ)やクッション材を使って固定・保護することが重要です。作業時には手袋を着用し、作業環境を清潔に保つことで、破損やケガを防ぐ工夫も必要です。
ガラスへの印刷方法には、シルクスクリーン印刷のほかにも、UVインクジェット印刷やカッティングシート貼付けといった手法があります。それぞれに長所と短所があるため、目的や予算、耐久性の要件などに応じた使い分けが求められます。
シルク印刷は、インクに厚みが出るため発色が非常に鮮やかで、透明なガラスの上でもしっかりと色が乗るのが特長です。さらに、耐候性・耐水性に優れたインクを使用することで、屋外でも対応できる高い耐久性を実現します。ただし、1色ごとに版を作成する必要があるため、フルカラーや多色表現にはやや手間とコストがかかります。単色ロゴや注意表示、長期掲示物などに特に向いている印刷手法です。
UVインクジェット印刷は、デジタルデータから直接ガラスに印刷できるため、スピーディーな対応が可能です。フルカラーやグラデーションなどの細かな表現にも強く、写真やイラストを美しく再現できます。ただし、インクの膜厚が薄く、耐久性や耐候性はシルク印刷よりやや劣るため、屋外用途では表面にトップコート処理を施すのが一般的です。装飾性の高いグラフィックや短期的な用途に適しています。
カッティングシートは、専用のカッティングプロッタでシートを文字や図形の形にカットし、それをガラス面に貼り付ける方式です。版やインクを必要としないため、短納期での製作が可能で、コストも比較的抑えられます。シートは剥がすことができるため、仮設サインやイベント用の装飾にも活用されています。ただし、極端に細かいデザインや、長期間の屋外使用にはやや不向きです。
このように、シルク印刷は「高発色」かつ「高耐久性」が求められるシーンで真価を発揮します。特に屋外のガラス看板や、長期設置される案内表示、ブランド訴求を目的とした印刷物などに適しています。一方で、写真やグラフィックをフルカラーで再現したい場合は、UV印刷の方が適していることもあります。
以下に、代表的な印刷方法の特徴を一覧でまとめました。ガラスに適した印刷方式を検討する際の参考としてご活用ください。
印刷方法 | 特徴 | 適した表現 | 耐久性 | フルカラー対応 |
---|---|---|---|---|
シルクスクリーン印刷 | 厚盛インクで発色・耐候性に優れる | ロゴ、文字、単色マーク | ◎(屋外対応可) | △(多色印刷は非効率) |
UVインクジェット印刷 | フルカラー対応。写真やグラデも可 | 装飾デザイン、グラフィック | ○(屋外は要トップコート) | ◎ |
カッティングシート | 貼り付け式。短納期で加工可能 | 仮設サイン、イベント装飾 | △(長期掲示は不向き) | △(単色ごとに貼り分けが必要) |
使用するシーンや求める仕上がりによって、最適な印刷方法は変わります。たとえば、屋外で長く使いたい案内表示ならシルク印刷が適していますし、写真やグラフィックを美しく見せたい場合にはUV印刷の方が向いています。目的に合わせて最適な手法を選択することが、ガラス印刷を成功させるポイントです。
当社に新工場ができた際に工場の入口ドアに、壁紙ブランド「Arms」のロゴを直接シルクスクリーン印刷で施工しました。こちらは、印刷版とインクを現場に持ち込み、建物のガラス面に直接印刷を行う「現場刷り」と呼ばれる手法を用いています。
近年では、カッティングシートの貼り付けやインクジェット出力による方法が主流となっていますが、これらの方法ではシートの貼り付け感が出てしまうことがあります。それに対し、シルクスクリーン印刷は、ガラス面に直接インクを刷り込むため、自然で高級感のある仕上がりが得られます。
この事例は以下ページで詳しくご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
>>事例詳細はこちら
ガラスは美しさと透明感を併せ持つ一方で、インクが定着しにくく、印刷には高度な技術が求められる素材です。しかし、シルクスクリーン印刷であれば、適切なインクや下処理を用いることで、ガラス面にも鮮やかで耐久性の高い印刷が可能になります。
特に、単色ロゴや注意表示、ブランドサインなど、発色と耐候性が重視される用途においては、シルク印刷の強みが大きく発揮されます。UV印刷やカッティングシートなど他手法との違いを理解し、目的や使用環境に応じた最適な手法を選択することが重要です。
ガラスは美しい反面、印刷や取扱いに高度な注意が必要な素材です。当社では、内容や条件によってはお受けできない場合もございますが、まずはお気軽にご相談ください。