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塩ビ板へのシルク印刷とは?メリットなどを詳しく解説!

2024.09.20

塩ビ板とは?

塩ビ板は、ポリ塩化ビニルという樹脂から作られるプラスチック製の板材です。正式名称は「ポリ塩化ビニル樹脂」なのですが、略して「塩ビ」と呼ばれることが多いです。塩ビ板は軽量でありながら高い耐久性を誇るため、屋内外問わず多くの場所で使用されています。例えば、以下のような用途で活用されています。

  • 屋外看板: 雨風に強く、長期間美しさを保ちます。
  • 展示会用ディスプレイ: 反射を抑えたマットな仕上げができ、デザインを引き立てます。
  • 内装パネル: 室内装飾としても利用され、光沢感が高級感を演出します。

塩ビ板は、表面が滑らかでありながら加工がしやすいという特徴があるため、印刷を施すのに最適な素材の一つです。塩ビ板については、以下のページもご覧ください。
>>塩ビ板素材について

塩ビ板の種類

塩ビ板には、硬質タイプと軟質タイプがあります。それぞれの特徴や詳細は以下の通りです。

【硬質塩ビ板】
硬質塩ビ板は、強度が高く剛性があるため、形状を保つ必要がある場所で使用されます。代表的な用途としては、屋外看板、案内板、建築用パネルなどが挙げられます。硬質塩ビ板は、耐候性や耐薬品性に優れており、紫外線や雨風に強いため、屋外での使用に最適です。また、温度変化や摩耗にも耐えるため、過酷な環境下での使用にも耐久性を発揮します。

硬質塩ビ板は、特に工業用途や建設現場で多く使われる素材です。厚みも自由に選べるため、大型の看板やプレートにも適しています。さらに、印刷表面が平滑であるため、シルクスクリーン印刷を施す際にも均一な発色が得られ、長期間にわたって美しい状態を維持します。

【軟質塩ビ板】
一方で、軟質塩ビ板はその名の通り、柔軟性に優れた素材です。柔らかいため、曲げたり巻いたりすることができ、加工しやすいのが特徴です。主な用途としては、床材、壁面シート、養生シート、防水シート、ラッピングフィルムなど、柔軟性を必要とする場面で広く使用されています。

軟質塩ビ板は、耐久性に加え、耐水性や防腐性にも優れているため、湿気の多い場所や屋外での使用にも適しています。また、薄くて軽量なため、持ち運びや施工も簡単です。シルクスクリーン印刷においても、薄さを活かした柔軟なデザインが可能で、カスタムサインや展示用パネルなど、独創的な製品を作ることができます。

シルク印刷とは?

シルクスクリーン印刷(シルク印刷)は、布や紙、プラスチック、金属など、空気と水を除くほぼあらゆる素材に対応できる非常に多用途な印刷技術です。シルク印刷は、網目状の「スクリーン」と呼ばれる版を使い、インクをその版から押し出して、対象となる素材にインクを転写します。この方法により、精細で耐久性の高いプリントが可能となります。長い歴史を持つシルク印刷は、時代を超えて広く利用され続けており、今日でもその重要性は変わりません。

シルク印刷の大きな特徴は、インクの層が厚く、鮮やかでしっかりとした色が出せることです。塩ビ板などの平滑な表面でも鮮明な発色を実現します。さらに、シルク印刷では1色ずつ手作業でインクを重ねるため、耐久性が非常に高く、特に屋外で使用される看板や案内板などに適しています。

シルク印刷について、より詳しく知りたい方は以下ページをご覧ください。印刷工程を写真付きでご説明しています。
>>シルク印刷とは

塩ビ板へのシルク印刷とは?

塩ビ板にシルク印刷を施すことは、屋外看板やディスプレイ、案内板などで多く活用されている技術です。塩ビ板自体は耐久性や耐候性に優れており、紫外線や雨風に強いため、長期間にわたる使用が可能です。この特性とシルク印刷の技術を組み合わせることで、色鮮やかで耐久性のある仕上がりを実現します。

シルク印刷は、インクの厚みが出るため、塩ビ板の平滑な表面に対しても鮮明で均一な印刷が可能です。また、インクの層が厚いことで、外的要因による摩耗や色褪せにも強く、屋外での使用に非常に適しています。塩ビ板は加工が容易であり、必要に応じてさまざまな形状やサイズに切り出すことができ、さらにカスタマイズが可能です。

塩ビ板へのシルク印刷は、屋内外を問わず使用され、コストパフォーマンスに優れた選択肢として広く採用されています。看板やパネルを美しく長持ちさせたい場合に、シルク印刷は最適な印刷方法です。

塩ビ板へシルク印刷をするメリット

  • コストパフォーマンス: 塩ビ板は、同じプラスチック素材のアクリル板に比べて価格がリーズナブルであり、大量のサインや看板を製作する際にコストを抑えられます。短期間の広告やイベント用のサインなど、予算に制限がある場合に非常に適しています。
  • 高い耐久性: 塩ビ板は、柔軟性があるため衝撃や引っ張りにも強く、外部の厳しい環境にも耐えることができます。シルク印刷と組み合わせることで、紫外線や雨風にも強く、屋外サインとして長期間使用できます。
  • 多様な仕上がりが可能: シルク印刷は、塩ビ板に対しても鮮やかな発色を実現します。特に、屋外での使用を想定した場合でも、インクの厚みと鮮明さが保たれるため、視認性が高く、耐久性のある仕上がりが期待できます。
  • 柔軟な用途: 塩ビ板は、屋外サイン、工業用プレート、ディスプレイ用パネルなど、多様な場面での利用が可能です。シルク印刷は、こうした用途に合わせた鮮やかなデザインを実現し、耐久性とデザイン性を兼ね備えた印刷物を提供します。

塩ビ板へのシルク印刷に適したインクの種類

塩ビ板にシルク印刷を行う際、印刷の仕上がりや耐久性に大きく影響を与えるのが使用するインクです。塩ビ板は屋外での使用が多いため、紫外線や風雨、温度変化に対する耐性が求められます。この章では、塩ビ板へのシルク印刷に適したインクの種類について説明します。

  • UVカットインク
    UVカットインクは、紫外線による色褪せを防ぐため、屋外で長期間使用する塩ビ板に非常に適しています。特に、屋外の看板や案内板は日光に長時間さらされることが多いため、紫外線に強いUVカットインクを使うことで、色鮮やかな状態を長期間維持できます。UVカットインクは、紫外線による劣化を抑え、耐久性を高めるため、塩ビ板の寿命を延ばす重要な要素です。
  • 耐摩耗性インク
    耐摩耗性インクは、外的要因や物理的な衝撃に強く、過酷な環境下で使用される塩ビ板に適しています。工場内の安全表示板や、長期間屋外に設置される案内板では、風や摩擦、汚れに対してインクが摩耗しないことが求められます。このインクは、印刷物が頻繁に触れられたり、こすられるような場所に設置される場合にも有効です。耐久性を重視したい場合に、最適な選択肢となります。
  • 耐薬品性インク
    耐薬品性インクは、化学薬品や油、その他の有害物質に対して強い耐性を持つインクです。工業用プレートやラベルとして塩ビ板を使用する際、化学薬品や油脂の飛沫にさらされることがありますが、耐薬品性インクを使うことで、印刷内容が消えることなく、長期間視認性を保ちます。このインクは、化学工場や研究施設などの特殊な環境での使用に向いています。
  • 耐水性インク
    屋外で使用される塩ビ板は、雨や湿気にさらされることが多いため、耐水性インクも重要な選択肢です。耐水性インクは、湿度の高い環境や直接水がかかるような状況でも、インクが滲んだり剥がれたりすることがありません。これにより、屋外看板や案内板を安心して長期間使用することができます。
  • グロスインクとマットインク
    印刷物の仕上がり感を決定する要素として、グロス(光沢)インクとマット(つや消し)インクがあります。塩ビ板に光沢を持たせて鮮やかに仕上げたい場合は、グロスインクが適しており、逆に落ち着いた雰囲気や反射を抑えたい場合は、マットインクを選ぶことで、デザインに応じた質感を演出することができます。特に店舗の看板やディスプレイなど、デザインが重視される場面では仕上がり感を調整することが重要です。

塩ビ板のシルク印刷製作事例

当社で実際に塩ビ板にシルク印刷を施した製作事例をご紹介します。こちらは、塩ビ板に宿泊施設での大浴場利用ルールについて、利用者へ注意を促す文章を印刷しています。

シルク印刷のメリットである発色の良さで、ぼやけることなく文字がはっきりと印刷されていて見やすいため、注意喚起には最適な印刷方法です。

塩ビ板_シルク印刷事例

>>その他の製作事例一覧はこちら

まとめ

塩ビ板は、耐久性や加工のしやすさ、そしてコストパフォーマンスに優れた素材で、屋内外のさまざまなシーンで活用されています。シルクスクリーン印刷を塩ビ板に施すことで、鮮やかで長持ちする印刷が可能となり、看板や案内板、ディスプレイといった用途において高い効果を発揮します。さらに、使用するインクの種類によっては、紫外線や摩耗、薬品などの過酷な条件下でも、その美しさを維持し、長期間の使用に耐えることができます。

シルク印刷は、その高い発色と耐久性、そして多様なデザイン対応力で、塩ビ板の可能性を最大限に引き出す技術です。今回ご紹介したように、塩ビ板とシルク印刷の組み合わせは、さまざまなニーズに応じた最適な選択肢となります。これらの特性を活かし、オリジナルのサインやパネルの制作をお考えの際は、ぜひシルク印刷をご検討ください。

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