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2024.12.19
日常生活から産業分野まで広く利用されている「塩ビ」と「アクリル」。これらはプラスチック素材としての特性が異なるため、それぞれ適した用途があります。特に「強度」の観点から選ぶ際には、どちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか?この記事では、塩ビとアクリルの特徴や強度の違いについて解説しつつ、それぞれのメリット・デメリット、活用シーンについても詳しくお伝えします。
目次
塩ビは「ポリ塩化ビニル(ポリビニルクロライド)」と呼ばれるプラスチック素材の一種で、建築資材や工業製品、日用品など幅広い分野で利用されています。その主な特徴は、耐久性や加工性の高さです。この特性により、塩ビは多くの製造業で不可欠な素材となっています。
塩ビはプラスチックの中でも特に汎用性が高く、使用目的に応じて硬質塩ビと軟質塩ビに分けられます。硬質塩ビは建築用配管や電線カバーに利用される一方、軟質塩ビはフィルムやホースのような柔軟性を求められる製品に適しています。これらの違いは、添加される可塑剤の量によって調整されています。
さらに、塩ビは難燃性が高い素材としても知られており、火災時に燃え広がりにくい特性があります。そのため、建築現場や化学工場など、安全性が重要視される場所で使用されています。また、耐薬品性にも優れ、酸やアルカリ、塩類に対しても安定した性能を発揮します。これにより、化学プラントや工業用途での採用も増えています。
ただし、塩ビには注意点もあります。特に紫外線や高温多湿の環境下では、劣化が進みやすいという性質があり、長期的な屋外使用には適していません。そのため、用途に応じて適切な環境で使用する必要があります。
このように、塩ビは高い実用性を持つ素材ですが、その選び方や使用環境を理解することが重要です。
塩ビは非常に汎用性が高く、さまざまな分野で活躍する素材です。以下に、そのメリットとデメリットを具体的に挙げてみます。
メリット
デメリット
塩ビはその高い汎用性と優れた特性により、さまざまな場面で活用されています。用途ごとの特徴を詳しく解説します。
これらの活用シーンを見ると、塩ビがいかに多用途であるかが分かります。適切な特性を活かし、目的に合った使用方法を選ぶことで、さらにその利便性を引き出すことが可能です。
アクリルは「ポリメタクリル酸メチル」と呼ばれるプラスチック素材の一種で、その透明度と美しい光沢から「有機ガラス」とも呼ばれています。この特性により、ディスプレイ製品や装飾品など、見た目を重視する分野で幅広く活用されています。
アクリルは耐候性や耐熱性にも優れ、連続使用温度は70~90℃程度です。さらに、軽量で扱いやすく、ガラスに代わる安全な素材としても注目されています。また、切削や熱加工が容易なため、さまざまな形状やサイズに対応できる点も特徴です。
ただし、アクリルにはデメリットも存在します。衝撃に対する耐性が低く、割れやすい点が挙げられます。また、他のプラスチック素材に比べて価格が高いことも考慮が必要です。それでも、デザイン性や透明性を求められる場面では、アクリルの特性が大いに活かされています。
アクリルの特徴をより明確にするため、そのメリットとデメリットを以下に整理しました。
メリット
デメリット
アクリルはその優れた特性を活かし、以下のような場面で幅広く活用されています。
このように、アクリルはその特性を活かしてさまざまな用途で使用されています。選択時には、用途に応じた特性を十分に理解し、適切な形状や加工方法を選ぶことが重要です。
塩ビ(ポリ塩化ビニル)とアクリル(ポリメタクリル酸メチル)は、どちらも広く利用されているプラスチック素材ですが、その強度には明確な違いがあります。
塩ビは、耐久性と耐衝撃性に優れた素材として知られています。特に、硬質塩ビは高い強度を持ち、建築資材や工業用部品など、強度が求められる用途で多用されています。また、塩ビは耐薬品性や耐水性にも優れており、化学プラントや配管材料としても適しています。
一方、アクリルは透明度が高く、美観が求められる製品に多く使用されますが、塩ビと比較すると衝撃に対する強度はやや劣ります。そのため、アクリル製品は割れやすいという欠点があり、取り扱いには注意が必要です。
一般的に、塩ビはアクリルよりも高い強度を持っています。例えば、塩ビは衝撃や曲げに強く、アクリルと比べて燃えにくいという特性もあります。一方、アクリルは高い透明度を持つものの、衝撃強度では塩ビに劣ります。
このように、塩ビとアクリルはそれぞれ異なる強度特性を持っています。耐久性や耐衝撃性が重視される用途では塩ビが適しており、高い透明度や美観が求められる場合にはアクリルが選ばれることが多いです。用途や必要な特性に応じて、適切な素材を選択することが重要です。
用途 | 適した素材 | 理由 |
---|---|---|
建築資材、配管、工業用部品 | 塩ビ | 高い強度と耐衝撃性、耐薬品性、耐水性を持つため。 |
ディスプレイ、照明カバー | アクリル | 高い透明度と美観が求められるため。 |
化学プラント、実験装置 | 塩ビ | 優れた耐薬品性と耐久性を持つため。 |
家庭用品、装飾品 | アクリル | 美しい外観と加工のしやすさが求められるため。 |
屋外看板、展示ケース | アクリル | 高い透明度と耐候性が求められるため。 |
電気絶縁部品 | 塩ビ | 優れた電気絶縁性と難燃性を持つため。 |
ここまで紹介してきた塩ビとアクリルは、それぞれの特性を活かして幅広い分野で活用されています。当サイトでは、これらの素材を使用した製品にシルク印刷を施し、オリジナル性を高めた商品を多数製作しています。次章で実際の製作事例をご紹介しますが、まずはシルク印刷について解説いたします。
シルク印刷とは、インクをスクリーンメッシュ(網状の版)を通して転写する方法です。この技術は「スクリーン印刷」や「網版印刷」とも呼ばれ、さまざまな素材や形状に対応できることが大きな特徴です。特に、塩ビやアクリルのようなプラスチック素材に対しては、インクの密着性が高く、鮮やかで耐久性のある仕上がりを実現できます。
また、紙や布、金属、木材など、水と空気以外の多様な素材に印刷できるため、産業分野からアート、ファッションまで幅広い用途で活用されています。シルク印刷の魅力の一つは、インクの厚みを調整することで独特の立体感や質感を表現できる点です。これにより、デザイン性が求められる製品や広告物にも適しており、印刷後も長期間鮮やかな色彩を維持します。
さらに、シルク印刷は単色から多色印刷まで対応可能で、オリジナルデザインやロゴの再現性が高いことから、オーダーメイド製品を求める顧客に人気があります。(フルカラーやグラデーションのあるデザインには不向きです)シルク印刷については、以下のページもご覧ください。
>>シルク印刷とは
こちらは、塩ビ板に宿泊施設での大浴場利用ルールを印刷しています。塩ビ板のメリットである加工のしやすさを活かした形状となっています。
こちらは、カラーアクリル板にシルク印刷を施したプレートの製作事例です。透明度の高さがメリットのアクリルですが、カラーアクリルを使用するとデザイン性が高まるため、用途に応じてカラーアクリルを選択されるのもおすすめです。
塩ビとアクリルは、それぞれ独自の特性を持つプラスチック素材であり、用途や目的に応じて適切に選ぶことで、その利便性を最大限に活かすことができます。塩ビは高い耐久性や耐薬品性を備え、建築資材や工業用途に適しており、アクリルは透明度とデザイン性が求められる場面でその美しさを発揮します。
さらに、これらの素材にシルク印刷を施すことで、製品の付加価値を高めることが可能です。塩ビでは屋外看板やラベルなどの実用性重視の用途、アクリルではショーケースや装飾品などの美観重視の用途で、シルク印刷の技術が幅広く活用されています。
当サイトでは、塩ビ・アクリル素材に対応した高品質なシルク印刷を提供しております。用途やデザインに応じた最適なご提案も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。素材選びや印刷方法で迷った際には、本記事を参考にしていただければ幸いです。
また、塩ビ・アクリルの関連記事も以下にございますので、こちらもぜひご確認ください。
>>塩ビ板とアクリル板の違い
>>アクリル板に印刷する方法
>>塩ビ板へのシルク印刷とは?メリットなどを詳しく解説!