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「不織布」なんと読む?特徴や用途を解説!

2024.10.11

近年、不織布という素材はさまざまな製品に使われ、私たちの生活に深く関わっています。例えば、エコバッグやマスクなど、不織布は非常に汎用性の高い素材です。しかし、その読み方や特徴について、正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。この記事では「不織布」の正しい読み方から、その用途や特性、さらには不織布に適した印刷方法まで詳しく解説します。

「不織布」なんと読む?

まず最初に、「不織布」の正しい読み方について確認しましょう。多くの人が間違えて「ふしょくぬの」「ふしょくきん」「ふおりぬの」などと読んでしまいがちですが、正解は「ふしょくふ」です。この読み方の由来は、「織らない布」という字の通り、通常の布とは異なり、織りや編みの工程を経ずに作られるためです。

不織布は、繊維をランダムに集積し、化学的あるいは物理的な手法で接着させて作られます。そのため、従来の織物や編物とは異なる独特の特性を持っています。

不織布とは?

不織布とは、繊維を縦横に織ることなく、繊維を化学処理や熱処理で接着してシート状に加工したものを指します。基本的には、ポリエステルやポリプロピレンといった化学繊維が使用されますが、天然繊維を用いることもあります。これらの素材を、熱や圧力で結合させることにより、軽量で柔軟な素材が出来上がります。

また、不織布は布状だけでなく、紙状、フェルト状、レザー状など、形状を変えて製造されることも多く、その用途は多岐にわたります。

▼様々なテクスチャーの不織布▼

不織布

不織布

不織布

不織布の特徴

不織布は、従来の織物や編物にはない独自の性質を持っています。その特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 通気性とろ過性:不織布は多孔質構造を持ち、空気が容易に通り抜けるため、呼吸を妨げずに微粒子を効果的に捕捉します。これにより、マスクや空気清浄機のフィルターとして広く利用されています。
  • 軽量で扱いやすい:不織布は非常に軽量で、柔軟なため、携帯性に優れています。これにより、イベントでのノベルティバッグやエコバッグに適しています。
  • 多様な加工が可能:素材自体が柔らかく、織り込まれていないため、さまざまな形状に成形でき、カスタマイズがしやすいです。製品の形状やデザインの自由度が高く、様々な分野での使用が可能です。
  • 吸湿性と撥水性:不織布は、素材や加工方法に応じて吸湿性を持たせたり、撥水加工を施したりできます。これにより、用途に応じた特性を付与することができます。
  • 衛生的で使い捨てに適している:不織布は、低コストで大量生産が可能なため、使い捨て製品に最適です。医療用のガウンやマスク、消耗品など、衛生を重視する分野で多く利用されています。
  • 耐久性:織物に比べると耐久性に劣りますが、特定の製品では加工や材料の工夫で耐久性を高めることも可能です。

不織布の主な用途

不織布は、その特性を活かして、多くの業界で幅広く使用されています。以下は、代表的な用途です。

  • マスク・フィルター:不織布は、通気性とろ過性に優れているため、マスクのフィルターや空気清浄機、エアフィルターとして広く使用されています。特に、細かい粒子を効果的に捕捉できるため、医療用や産業用のフィルターとしても重要な役割を担います。
  • 医療用製品:衛生的な使い捨てが可能な不織布は、手術用ガウン、キャップ、マスクなど、多くの医療用製品に利用されています。患者と医療従事者を感染から守るための重要な素材です。
  • エコバッグ・ノベルティバッグ:イベントのノベルティグッズやエコバッグとして、不織布はよく利用されます。軽量で丈夫なため、資料配布や宣伝用バッグとして非常に便利です。重いものを長期間に渡って運べるほど耐久性が高いわけではありませんが、短期間の利用には最適です。
  • 清掃用品:不織布は吸湿性や撥水性が調整可能なため、掃除用ワイパーや雑巾、使い捨てのモップなどの清掃用品にも適しています。コストを抑えつつ、優れた性能を発揮します。
  • 使い捨ておむつや生理用品:不織布の吸湿性と柔らかさは、紙おむつや生理用品に最適です。肌に優しく、衛生面での安心感もあり、使い捨て商品として幅広く活用されています。
  • 産業用フィルターや建材:工場や産業施設での排気処理や、水処理用フィルターとしても使用される不織布は、ろ過性と耐化学性を活かして、産業分野での役割が拡大しています。また、建材や断熱材としても活用されています。

マスク

不織布のメリット

不織布には、多くのメリットがあります。以下にそのメリットをさらに詳しく説明します。

  • 低コスト:不織布は、糸を織り込んだり編んだりする必要がないため、製造工程が簡単で、コストが非常に低いのが大きなメリットです。大量生産に向いており、使い捨て用途の製品としても非常に経済的です。
  • 多様な機能:通気性や保温性、吸湿性、ろ過性など、多くの機能を持たせることができ、幅広い用途に対応します。また、化学繊維や天然繊維などさまざまな素材を使用できるため、必要に応じて特性を調整することが可能です。
  • 軽量で携帯性が高い:非常に軽量で、携帯性に優れているため、エコバッグや使い捨て製品としての利便性が高いです。持ち運びやすく、収納スペースも取らないため、日常生活でも便利です。
  • 衛生的で使い捨て可能:使い捨てができるため、特に医療現場や衛生が求められる状況で重宝されます。感染症のリスクを減らすための製品としても不織布は非常に重要です。
  • 加工のしやすさ:不織布はシート状で加工しやすく、切断や接着、印刷などの工程も簡単に行えます。そのため、多様な製品に対応でき、カスタマイズも容易です。

不織布のデメリット

一方で、不織布にはいくつかのデメリットも存在します。以下にそのデメリットをさらに詳しく説明します。

  • 耐久性が低い:不織布は繊維を絡めて接着した構造のため、織物や編物と比べると強度が低く、長期間の使用には向いていません。繰り返し使用するアイテムや、耐久性が必要な場面では不適切です。
  • 環境負荷が高い:使い捨て製品としての利用が多いため、大量廃棄されることが多く、環境への負荷が懸念されています。特に、プラスチック系の不織布は分解が難しく、リサイクルや再利用が求められています。
  • 吸水性と撥水性のバランス:一部の不織布は吸水性が高く、湿気や水分を含みやすい一方で、防水加工された不織布は通気性が悪くなる場合があります。用途に応じて適切なタイプの不織布を選択する必要があります。

不織布への印刷方法

不織布に印刷を施す際に一般的に使用される方法には、「シルクスクリーン印刷」と「熱転写印刷」の2つがあります。それぞれに異なる特徴があり、用途に応じて選択が可能です。

シルクスクリーン印刷

シルクスクリーン印刷は、不織布における代表的な印刷方法の一つです。この手法は、メッシュ状の版にインクを乗せて布に転写します。インクが厚く乗るため、デザインが鮮明で耐久性に優れた仕上がりになります。

また、シルクスクリーン印刷は、大量生産や色数の少ないデザインを用いる製品に適しており、特に不織布製のエコバッグやノベルティグッズに最適です。耐水性や耐摩耗性も高く、繰り返し使用する製品でも長持ちします。ただし、フルカラーやグラデーションのあるデザインには不向きです。

シルクスクリーン印刷について、詳しくは以下ページもご覧ください。
>>シルク印刷とは

熱転写印刷

熱転写印刷は、デザインを一旦特殊なフィルムに印刷し、これを高温で圧力をかけながら不織布に転写する方法です。この印刷技術は、写真のような多色デザインや、細かいグラフィックを再現するのに適しています。少量の印刷やカスタムデザインを短期間で仕上げるのに優れており、特に個別注文の製品や複雑なデザインを必要とする商品で多く採用されます。

しかし、耐久性という点ではシルクスクリーン印刷に比べて劣ることがあり、特に洗濯や摩擦による劣化が懸念されます。

不織布のシルク印刷事例

不織布への印刷方法をご紹介してまいりましたが、ここでは当サイトで得意とするシルク印刷の製作事例をご紹介します。こちらは不織布製のバッグに1色で印刷しています。シルク印刷の特徴にあるように文字やイラストが鮮明に印刷されています。

不織布バッグ_シルク印刷事例

>>その他の事例はこちら

まとめ

不織布は「ふしょくふ」と読みますが、その特性や用途は広く、多くの製品で活用されています。通気性や軽量性、そして低コストで大量生産が可能なため、医療や衛生、日用品、産業分野など幅広い用途で重要な役割を果たしています。また、使い捨てが可能で衛生面でも優れているため、エコバッグやマスク、清掃用品などでも多く使用されています。

一方で、耐久性や環境への負荷が課題となる場面もあるため、用途や目的に応じた適切な素材選びが重要です。印刷に関しても、耐久性を求める場合はシルクスクリーン印刷が、複雑なデザインを施したい場合は熱転写印刷が最適です。

不織布は、その多機能性と広範な用途によって、今後もさまざまな産業や生活の場面で欠かせない素材として活躍し続けるでしょう。特に、環境や衛生面での重要性が増す中で、不織布の可能性はさらに広がっていくことが期待されます。