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2025.05.01
目次
シルク印刷(シルクスクリーン印刷)とは、メッシュ状の版にインクを通して素材に直接刷り込む印刷方法です。版ごとにインクの色を分けることで、くっきりとした線や色を表現できる点が特長です。インクを厚く盛れるため発色が良く、屋外での長期使用にも耐える優れた耐候性を備えています。
紙、プラスチック、金属、布、木材など、素材を選ばずに印刷できるのも魅力のひとつです。建築現場の看板や腕章、ノベルティグッズ、工業部品の印字など、用途は多岐にわたります。
同じデザインを複数枚印刷するのに適しており、ロット数が多い場合にコストパフォーマンスが高くなるというメリットもあります。シルク印刷について詳しくは以下の記事もご覧ください。
>>シルク印刷とは?(写真付きで印刷工程を解説)
>>シルク印刷のメリット・デメリットを徹底解説!
当サイトで得意としているシルク印刷は、もともとベタ印刷(均一に塗りつぶすような印刷)を得意とする技術です。色を乗せたい部分だけにインクを通す構造になっており、はっきりとしたロゴや文字、単色の図形などの表現に最適です。
▼Tシャツのシルク印刷事例
一方で、グラデーションのように色の濃淡が滑らかに変化していく表現は、構造上どうしても苦手とされます。なぜなら、シルク印刷では1色ごとに版を作成する必要があり、印刷デザインが複雑になるほど工程やコストが増えてしまうからです。さらに、濃度の微妙な変化をインクで表現するには高い技術と工夫が求められます。
それでも、「完全なグラデーション表現は難しい」というだけであって、工夫次第である程度グラデーション風に見せることは可能です。たとえば、網点(ドット)を使って濃淡を疑似的に表現する方法や、カラーの濃度差を活かして階調をつける手法などがあります。次の章では、そのような印刷方法について詳しくご紹介します。
グラデーションを美しく再現したい場合、以下のような印刷方法の選択肢があります。
シルク印刷でも、グラデーションのような見た目を再現する方法のひとつが「網点処理」です。これは濃淡のある画像をドット状に変換し、ドットの大きさや密度で明暗を表現する手法です。網点を使えば、1色でも疑似的なグラデーションを表現できます。
ただし、この方法にも制限があります。網点による表現は基本的に単色(1色のインク)での濃淡再現に限られ、多色グラデーションや複雑な色変化は表現できません。また、濃淡の差が細かすぎると、網点が潰れたり飛んでしまったりするため、再現可能な範囲にも限界があります。
インクジェット印刷は、インクを微細な粒状にして噴射し、紙や布などの素材に直接吹き付けて印刷する方式です。身近な家庭用プリンタと同じ原理で、大判サイズや屋外広告用にも対応できる業務用プリンタも多数存在します。
使用するインクは、一般的にCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色を基準としており、必要に応じてライトシアンやライトマゼンタなどの補助色を加えることで、より滑らかな階調表現が可能になります。
写真やグラフィック、複雑なイラストなど、色の移り変わりや微妙なトーン差を伴うデザインも非常に美しく再現できるのが特徴です。特にグラデーションの再現性に優れており、印刷物の見た目を重視する場面で選ばれることが多くあります。
一方で、耐久性や耐水性は使用するインクや出力先の素材によって差が出るため、屋外用途にはラミネート加工などの処理が必要になることもあります。
インクジェット印刷については、以下の記事でも解説しています。こちらも是非ご確認ください。
>>インクジェット印刷とシルクスクリーン印刷の違いとは?
オンデマンド印刷は、デジタルデータをそのまま高速で出力する印刷方式で、レーザープリンタやLEDプリンタを用いた乾式トナー方式が主流です。オフセット印刷のような製版工程が不要で、1部からでもスピーディーに対応できる点が最大の強みです。
CMYKを基本とするトナーによって高精細な出力が可能で、文字はもちろん、写真やグラデーションも鮮やかに印刷されます。特に、チラシやカタログ、名刺、ショップカードなど、少部数でも高品質な仕上がりを求められる印刷物に適しています。
近年では印刷機の性能向上により、階調表現もかなり滑らかになっており、以前に比べてグラデーション再現力も向上しています。ただし、紙の質感や厚みによってはトナーの定着具合に差が出ることもあるため、事前のテスト出力などで確認することが望ましいでしょう。
昇華転写印刷は、主にポリエステル素材やポリエステルコーティングされた製品に適用される特殊な印刷方式です。昇華型インクを使用し、まず専用の転写紙にデザインを印刷し、それを高温・高圧で素材に転写します。インクは加熱により気化(昇華)し、繊維の奥深くまで浸透するため、洗っても色落ちしにくく、美しい仕上がりが長続きします。
この印刷方式では、写真やフルカラーのグラデーション、繊細なグラフィックなども自然に再現でき、インクが布に染み込むことで素材本来のやわらかさや風合いを損ないません。ユニフォームやタペストリー、のぼり旗、オリジナルグッズなど、さまざまなシーンで活用されています。
ただし、適用素材はポリエステルに限定されるため、綿やナイロン、金属などには対応していません。また、熱と圧力をかける工程があるため、耐熱性の低い素材にも不向きです。
ポリエステルへの印刷方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも是非ご確認ください。
>>ポリエステルへのプリント方法とは?
ここでは、グラデーションを再現したい場合に検討されやすい主な印刷方法について、再現性や耐久性、用途、そしてコスト面の観点から比較してみます。
※「◎」は優れている、「○」は一定の対応が可能、「△」は制限があることを示しています。
印刷方法 | グラデーションの再現性 | 耐久性 | 適した用途 | コスト感 |
---|---|---|---|---|
シルク印刷 | △(網点処理で再現可能) | ◎ | 屋外看板、腕章、ノベルティなど | 大量印刷向き(ロット数が多いほど割安) |
インクジェット印刷 | ◎ | △(耐水処理次第) | 写真ポスター、屋内装飾など | 小ロット向き(1枚から対応可能) |
オンデマンド印刷 | ◎ | △ | 小ロットチラシ、紙製品など | 小ロット向き(少部数に最適) |
昇華転写印刷 | ◎ | ○ | ポリエステル布、タペストリーなど | 中~小ロット向き(素材・面積による) |
このように、グラデーションの再現性を重視するか、耐久性や大量生産性を重視するかによって、選ぶべき印刷方式は変わってきます。たとえば、屋外使用や大量ロットではシルク印刷がコスト・耐久性ともに優れていますが、色表現の自由度や少部数対応ではインクジェットやオンデマンド印刷に軍配が上がります。
目的や印刷内容に応じて、最適な方法を選択することが、満足のいく仕上がりとコスト効率の両立につながります。
シルク印刷は、インクを厚く盛ることで発色と耐久性に優れ、看板やノベルティなど屋外・長期使用に適した印刷方法です。単色やはっきりとしたデザインを得意とする一方で、写真のような滑らかなグラデーション表現には制限があります。
ただし、網点処理を活用することで、単色に限ればある程度のグラデーション風表現は可能です。とはいえ、多色グラデーションや繊細な階調を求める場合は、インクジェット印刷や昇華転写印刷といった他方式の方が適しています。
印刷方法にはそれぞれ得意・不得意があり、用途や仕上がりイメージ、ロット数によって最適な選択肢は異なります。グラデーションを含むデザインを印刷したい場合は、希望の仕上がりとコストバランスを踏まえたうえで、印刷方式を選ぶことが成功の鍵となります。