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塩ビシートと長尺シートの違いとは?用途別の使い分け・シルク印刷活用例をご紹介

2025.07.09

街中の看板や店舗のステッカー、案内サインなど、私たちが日常で目にする多くの表示物には、実は特定の素材が使われています。その中でも代表的なものが「塩ビシート」です。一方で、似たような名前を持つ「長尺シート」という素材も存在します。

このコラムでは、「塩ビシート」と「長尺シート」の違いを中心に、それぞれの用途や特徴を分かりやすく解説します。さらに後半では、塩ビシートとシルクスクリーン印刷の相性や実際の活用事例についてもご紹介します。

塩ビシートとは?

「塩ビシート」とは、ポリ塩化ビニル(PVC)を原料としたシート状の素材で、高い耐久性と加工のしやすさを兼ね備えた非常に汎用性の高いマテリアルです。その用途は幅広く、建築内装材からサイン・広告分野に至るまで、さまざまな現場で活躍しています。

たとえば、建築分野では主に床材として用いられることが多く、滑りにくさや防汚性、耐薬品性などが求められます。住宅や商業施設、病院、学校といった多くの場所で、塩ビシートは機能性と意匠性を両立する床仕上げ材として選ばれています。

塩ビシート

一方、看板やステッカー、案内表示といった用途では、表面に印刷を施したり、カットして文字や図形を抜いたりといった加工性の高さが重視されます。こうした分野では、裏面に粘着層を持つ「塩ビ粘着シート」がよく使われ、短期〜中長期の屋外掲示にも対応できる耐候性が評価されています。

  • 耐水・耐候性に優れている: 雨風や紫外線に強く、屋外でも長期間使用可能。
  • 印刷適性が高い: インクの乗りが良く、シルクスクリーン印刷やインクジェット印刷にも対応。
  • 加工の自由度が高い: カッティングやラミネート加工もでき、デザインの幅が広がる。

このように、塩ビシートはその素材特性から「床材」としても「サイン材」としても活用される多目的な素材です。次の章では、長尺シートとの違いを整理しながら、それぞれの用途に適した選び方について詳しく解説します。

塩ビシートについては、以下ページでもご紹介しております。あわせてご覧ください。
>>塩ビシートについて

長尺シートとは?

「長尺シート」とは、主に床材として用いられるビニール系シートのことを指します。名称のとおり、1本あたりの長さが数メートル以上あるロール状で供給され、広い面積を効率的に施工できるのが特徴です。

実はこの長尺シートも、「塩ビシート(ポリ塩化ビニルシート)」の一種です。つまり、素材そのものは塩ビシートと同じですが、主に床材用途に特化しており、製品形状(ロール)や機能性(ノンスリップ性、抗菌性、防滑性など)によって区別され、「長尺シート」と呼ばれています。

呼び方の違いは、使用される業界や目的に応じた“便宜的な分類”に過ぎません。たとえば建築・内装業界では「長尺シート」という呼称が一般的ですが、看板やサインの分野では「塩ビシート」「塩ビ粘着シート」などの名称が用いられます。いずれも素材は塩ビであるため、混同しないよう注意が必要です。

長尺シート

塩ビシートと長尺シートの違いとは?

「塩ビシート」と「長尺シート」は、どちらも塩化ビニル(PVC)を原料とするシート素材であり、素材としては同じものを指しています。違いがあるとすれば、それは「用途」と「製品形状」による呼び方の違いです。

たとえば、看板やステッカー、表示ラベルなどの用途で使われる場合は、一般的に「塩ビシート」と呼ばれることが多く、一方で、床材として使用される場合は「長尺シート」と呼ばれるのが業界での通例です。つまり、シートそのものの素材特性に大きな違いがあるわけではなく、「どんな形状で」「何に使われるか」という違いによって名称が使い分けられているのです。

以下の表は、塩ビシートと長尺シートの主な違いを比較したものです。

項目 塩ビシート 長尺シート
素材 どちらも塩化ビニル(PVC)素材
主な用途 看板、ステッカー、屋外サイン、工業用表示 など 床材(病院・学校・商業施設など)
製品形状 カットシート・ロールなど、用途に応じて多様 長さ10〜20mのロール状
呼称の使い分け 用途が幅広く、汎用的な呼称 主に床材分野で使用される業界用語

つまり、塩ビシートと長尺シートは「素材は同じ」でも、「使い方や製品形状」によって名称が異なるだけであり、本質的には同じカテゴリの製品です。そのため、建築やインテリア業界、広告・表示業界など、それぞれの分野で用語の使い分けに違いが生じているという理解が正確でしょう。

印刷現場でも重宝される塩ビシート、その理由とは?

これまでにも触れてきたとおり、塩ビシートは床材だけでなく、看板やステッカーといったサイン用途でも幅広く活用されています。ここでは、特に印刷分野における塩ビシートの活躍ぶりに焦点を当て、その優れた素材特性や印刷方式との相性について詳しくご紹介します。

たとえば、屋外サインや案内プレート、工業用ラベルなど、視認性と耐久性が求められるシーンでは、塩ビシートの持つ「インクの定着性」「耐水性・耐候性」「加工の自由度」といった特徴が活かされます。

印刷業界では、裏面に粘着層をもつ「塩ビ粘着シート(塩ビステッカー)」が定番で、ガラス面や壁面、什器などへ直接貼り付けられることから、期間限定のキャンペーン告知から恒久的な案内サインまで、幅広い活用が可能です。

こうした印刷用途においては、塩ビシートに適した印刷方式の選択も重要なポイントです。なかでも「シルクスクリーン印刷」は、塩ビ素材との相性が非常に良く、高耐久かつ鮮やかな仕上がりを実現できることから、多くの現場で選ばれています。

シルク印刷とは?

シルクスクリーン印刷(通称:シルク印刷)とは、メッシュ状のスクリーン版を通してインクを素材に転写する「孔版(こうはん)印刷」の一種です。版の上にインクをのせ、スキージーと呼ばれるヘラで押し出すように刷ることで、インクがスクリーンの目を通って下の素材に転写されます。かつてはシルク(絹)素材のスクリーンが使われていたため、「シルク印刷」という呼び名が定着しました(現在ではポリエステル製が主流です)。

この印刷方式の最大の特長は「インクの厚み」と「耐久性の高さ」にあります。一般的な印刷に比べてインクの層が厚くなるため、発色が非常に良く、屋外での使用に耐えうる耐候性・耐水性に優れています。そのため、標識や屋外看板、工業用ラベルなど、長期間掲出されることを前提とした用途に適しています。

シルク印刷については、以下ページでも詳しくご紹介しております。あわせてご確認ください。
>>シルク印刷とは

シルク印刷_インク調合

また、シルク印刷は1色ずつ版を作成し、順に刷っていく方式のため、グラデーションや写真のような繊細な表現は得意ではありませんが、単色・2色印刷ではその「くっきりとした輪郭」や「にじみのない仕上がり」に定評があります。コーポレートロゴや注意喚起のピクトグラムなど、明確な視認性が求められるデザインに向いている印刷方式です。

さらに、塩ビシートやアクリル、金属、布など、さまざまな素材に対応できる汎用性の高さも魅力です。特に塩ビシートとの相性は良好で、粘着シートへの印刷から屋外ラベルの製作まで、幅広い現場で採用されています。

なお、印刷色の選定や版の作成にはある程度の準備期間が必要ですが、その分、耐久性・仕上がり・コスト面で高いパフォーマンスを発揮します。「丈夫なサインを作りたい」「色あせに強い印刷がしたい」といったニーズには、シルク印刷は非常に有効な手段と言えるでしょう。

シルク印刷についてさらに詳しく知りたい方は、下記のページもぜひご参照ください。
>>シルク印刷のメリット・デメリットを徹底解説!
>>シルク印刷でグラデーションはできる?

シルク印刷以外の印刷方法とその特徴

シルク印刷以外にも、塩ビシートに対応した印刷方式はいくつか存在します。それぞれに特長があり、目的に応じて適切な方式を選ぶことが重要です。以下によく使われる印刷方式をご紹介します。

UVインクジェット印刷

紫外線(UV)で瞬時に硬化するインクを使用する印刷方式で、乾燥時間が不要なため短納期での対応が可能です。フルカラーのグラフィックやグラデーションにも対応しており、看板や店舗装飾に多く使われます。小ロット向きでコストパフォーマンスにも優れています。

ラテックス印刷

水性インクにラテックス(ゴム)を混合したインクを使用する方式で、環境配慮型の印刷として注目されています。耐水性・耐候性にも優れ、屋外用途にも対応。においが少なく、屋内施設や病院・保育施設での使用にも適しています。

溶剤系インクジェット印刷

強い溶剤を使ってインクを素材に浸透させる印刷方式で、耐久性に優れる一方、においが強く環境への配慮が必要とされます。長期屋外掲示や大型サインなどに用いられることが多く、粘着塩ビシートへの出力にも適しています。

このように、用途や掲示期間、デザインの複雑さ、ロット数などに応じて印刷方式を選ぶことが、品質やコストの最適化につながります。シルク印刷とあわせてご検討いただくことで、最適な出力方法が見つかるでしょう。

塩ビシート×シルク印刷が活躍する具体的なシーン

塩ビシートと当サイトで得意としているシルク印刷の組み合わせは、優れた耐久性と発色、加工のしやすさを兼ね備えているため、さまざまな現場で重宝されています。ここでは、実際の使用シーンを挙げながら、その有用性をご紹介します。

  • 工場の安全表示: 高温・多湿・粉塵の多い工場内でも、シルク印刷された塩ビシートなら視認性と耐久性を維持できます。危険表示や禁止マーク、作業手順の明示など、安全対策として欠かせない役割を果たします。
  • 建築現場の仮囲いサイン: 工事現場の仮囲いやフェンスに取り付けられる表示シートとして使用されます。工事名や工期、安全標語などをシンプルにかつ明確に伝える必要があり、シルク印刷のシャープな印字が最適です。
  • 公共施設の案内ステッカー: 駅や病院、市役所などの公共施設では、誘導サインや注意喚起のステッカーが多用されます。塩ビシートにシルク印刷を施すことで、長期掲出でも色褪せしにくく、施設利用者への案内が明確に伝わります。
  • イベント・展示会の装飾: 一時的なイベントでも、耐久性のある表示が必要な場面があります。例えば屋外ブースで使用される案内シールやロゴシールなどでは、シルク印刷の高発色と耐候性が活きてきます。
  • 物流・製造業の識別ラベル: パレットやラックに貼付する管理ラベルや、工業製品への識別表示としても活用されています。水や油がかかるような過酷な環境でも、シルク印刷なら読みやすさを損なわず、管理の効率化に貢献します。

このように、塩ビシート×シルク印刷は、屋内外を問わず「強さ」と「見やすさ」が求められる場面でその性能を発揮します。用途ごとに最適な素材や印刷方式をご提案可能ですので、気になる場面がございましたらお気軽にご相談ください。

塩ビシート×シルク印刷の活用事例

ここでは、実際に当社で製作した塩ビシートへのシルク印刷事例をご紹介します。印刷素材としての塩ビシートの性能と、シルク印刷の高い視認性・耐久性を活かした好例です。

駐輪証ステッカー(自転車貼付用)

駐輪場を利用する自転車に貼り付ける管理用ステッカーです。自転車ごとに番号を割り振ることで、所有者や利用許可の有無を一目で識別できるようになっています。

ベース素材には屋外対応の塩ビ粘着シートを採用し、雨風や日差しに強い耐候性を実現。赤と白のコントラストがはっきりと見えるようにシルク印刷で仕上げており、視認性・耐久性ともに優れた仕上がりです。

インクの厚盛りによって、文字やイラストもくっきりと仕上がっており、時間が経っても色褪せにくく、管理がしやすい仕様となっています。

駐輪証(塩ビシート)_シルク印刷事例

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まとめ

塩ビシートと長尺シートは、いずれもポリ塩化ビニル(PVC)を原料とした同一素材に分類されますが、その呼び方や使用分野には明確な違いがあります。床材としてロール状で使われるものは「長尺シート」、一方、看板やステッカーなどに使われるシートは「塩ビシート」「塩ビ粘着シート」などと呼ばれ、業界ごとの慣習によって使い分けられています。

特に印刷用途としての塩ビシートは、加工のしやすさや耐候性、印刷適性に優れており、サイン制作や案内表示、ステッカー類など幅広い現場で重宝されています。なかでも「シルクスクリーン印刷」との相性は非常に良好で、高発色かつ高耐久な仕上がりが求められる用途に最適です。

本記事でご紹介したように、塩ビシートは単なる素材ではなく、その特性を活かして「伝わるデザイン」を実現できる優秀なベースです。印刷方式の選定や素材の特性を踏まえたものづくりによって、製品の品質や視認性は大きく変わってきます。

当サイトでは、シルクスクリーン印刷を専門に扱い、塩ビシートとの組み合わせによる屋外用サインやステッカーなどの製作を数多く手がけてまいりました。素材選定からシルク印刷の仕上がりまで、現場経験豊富な当社スタッフが丁寧にサポートいたします。ご検討中の案件やお見積りのご希望がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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