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ポリエステルと綿の違いとは?素材の特徴と印刷方法を徹底解説

2025.07.10

衣類やグッズ、屋内外の布製サインなど、印刷対象として布素材を選ぶ際、「綿(コットン)とポリエステルの違いは?」「どちらが印刷に向いているの?」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。見た目は似ていても、素材の特性や印刷適性は大きく異なります。

本コラムでは、ポリエステルと綿の基本的な特徴や、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説したうえで、素材ごとに適した印刷方式を紹介します。さらに、近年よく使われる「混紡素材」や「布の種類によって印刷方法が異なる理由」についても解説。シルクスクリーン印刷との相性も含め、素材選び・印刷方法選びの参考にしていただける内容です。

ポリエステルとは?

ポリエステルは石油由来の合成繊維で、高い耐久性と速乾性を兼ね備えた、現代の繊維業界を代表する素材のひとつです。化学的に安定しており、衣類や広告・産業用途まで幅広く使われています。

ポリエステルのメリット

  • 速乾性が高い: 水分を含みにくく、洗濯後すぐに乾くため、スポーツウェアやアウトドア製品に適しています。
  • 耐久性がある: 摩擦や引っ張りに強く、長期間の使用に耐えるため、衣類以外にも多用途で活用できます。
  • しわになりにくい: 洗濯後もアイロンがけの手間が少なく、型崩れしにくいのが特長です。
  • 軽量で持ち運びしやすい: 軽くて扱いやすいため、カバンやポンチョなどにもよく使われます。

ポリエステルのデメリット

  • 吸水性が低い: 水分を吸収しにくいため、汗をかくとベタついたり、臭いがこもることがあります。
  • 静電気が起きやすい: 特に乾燥する季節には静電気が発生しやすく、ホコリを寄せつけたり不快感を生むことも。
  • 熱に弱い: 高温で縮んだり溶けたりする可能性があるため、アイロンや乾燥機の使用には注意が必要です。
  • 毛玉ができやすい: 長繊維で強度があるため、摩擦によって繊維同士が絡まり、毛玉(ピリング)が発生しやすい傾向があります。

ポリエステルの主な用途

  • スポーツ・アウトドアウェア: 速乾性・耐久性を活かし、ユニフォームや登山ウェア、ランニングウェアなどに使用。
  • 制服・作業着: 洗濯に強く、長持ちするため、企業や学校のユニフォームに適しています。
  • インテリア用品: カーテン、ソファカバー、クッションなどにも採用され、耐久性と加工性が活かされています。
  • 広告・販促素材: タペストリー、のぼり旗、テーブルクロスなどの印刷メディアにも用いられます。

機能性に優れたポリエステルは、コストパフォーマンスも高く、印刷資材としても非常に優秀な素材です。

ポリエステル生地

綿(コットン)とは?

綿(コットン)は綿花から得られる天然繊維で、古くから親しまれてきた定番素材です。吸湿性や肌触りに優れており、日常使いの衣類や生活雑貨に多く用いられています。

綿のメリット

  • 肌ざわりが良い: 天然素材特有の柔らかく優しい肌触りで、肌が敏感な方や子どもにも適しています。
  • 吸水性が高い: 水分や汗をよく吸収するため、Tシャツやタオルなどにも多く使用されています。
  • 静電気が起きにくい: 合成繊維に比べて静電気が発生しにくく、冬場のパチパチ感が少ないのも利点です。
  • 通気性に優れている: 通気性が高いため、蒸れにくく快適な着用感があります。
  • 毛玉ができにくい: 短繊維で構成されており、摩擦で毛羽立っても絡まりにくいため、毛玉が発生しにくい特性があります。

綿のデメリット

  • 乾きにくい: 吸水性が高いため、水分を含むと乾燥に時間がかかります。梅雨時や冬場には不便なことも。
  • しわになりやすい: 洗濯後にアイロンが必要な場合が多く、扱いに手間がかかることがあります。
  • 縮みやすい: 洗濯や乾燥によって繊維が収縮し、サイズが変化することがあります。
  • 色あせしやすい: 洗濯や日光の影響で、染料が抜けやすくなる傾向があります。
  • 耐久性が劣る: 摩擦や繰り返しの洗濯によって毛羽立ちやすく、長期間の使用にはやや不向きなことも。

綿の主な用途

  • 衣類全般: Tシャツ、シャツ、下着、パジャマなど、肌に直接触れる衣類に多く使用されます。
  • 生活雑貨: タオル、布巾、ベッドリネンなど、吸水性や肌ざわりが重要な日用品に最適です。
  • 医療・衛生用品: ガーゼや包帯など、やさしい肌あたりが必要な医療用途にも用いられています。
  • エコバッグやトートバッグ: 繰り返し使える耐久性のある素材として、環境配慮型商品のベースにも採用されています。

天然素材ならではのやさしい風合いを持つ綿は、直接肌に触れる用途で特に重宝されます。

綿花

ポリエステルと綿の主な違いと混合素材について

ポリエステルと綿(コットン)は、見た目や手ざわりが似ていても、繊維の構造や加工方法、使用感に大きな違いがあります。ポリエステルは石油を原料とした合成繊維で、速乾性・耐久性・防シワ性に優れており、綿は天然素材由来の柔らかさや吸水性、通気性の良さが特徴です。

使用目的によっては、これらの素材の長所が決め手となります。たとえば、スポーツ用途や屋外用のウェアにはポリエステルが好まれ、肌ざわりの良さや自然な風合いを求める日常着には綿が選ばれます。

以下に、主な違いを比較表としてまとめました。

比較項目 ポリエステル 綿(コットン)
吸水性 低い(乾きやすい) 高い(汗を吸う)
通気性 やや劣る 優れている
速乾性 優れている やや劣る
耐久性 強い(シワになりにくい) やや弱い(摩耗に弱い)
毛玉の発生 ややできやすい できにくい
肌ざわり さらっとしている やわらかくやさしい
価格帯 比較的安価 やや高価
主な用途 スポーツウェア・制服・のぼり等 Tシャツ・タオル・ナチュラル系衣類

また、両者のメリットを融合させた「混紡素材(ポリエステル×綿)」も多く流通しています。代表的なものに「T/C(テトロン×コットン)」と呼ばれる生地があり、ポリエステル65%・綿35%の比率で構成されています。この混紡素材は、ポリエステルの速乾性や防シワ性と、綿の肌ざわりや通気性をバランス良く兼ね備えており、作業着・スタッフTシャツ・ユニフォームなどに多用されています。

なお、ポリエステルや綿だけでなく、「ナイロン」も衣類やバッグ、ユニフォームなどによく使われる素材です。ナイロンは滑りやすく熱にも弱いため、印刷にはより慎重な選定が必要になります。特にシルク印刷ではインクの密着性や下処理が仕上がりを大きく左右するため、素材特性を理解した上で適切な対応が求められます。

ナイロン素材への印刷をご検討の方は、以下のコラムもぜひご覧ください。
>>ナイロンへのプリント方法とは?特徴とおすすめ印刷方式を解説

素材ごとに異なる印刷方法

ポリエステルや綿などの素材は、表面の性質や吸湿性、熱耐性などが異なるため、印刷方法の選択が品質や仕上がりを大きく左右します。誤った印刷方式を選んでしまうと、色ムラが出たり、定着せずに剥がれてしまったりといったトラブルにつながることもあります。

ここでは、代表的な4つの印刷方式──「シルクスクリーン印刷」「昇華転写」「熱転写(カッティング転写)」「インクジェット印刷」──の仕組みや特徴、対応素材について詳しくご紹介します。

シルクスクリーン印刷

シルクスクリーン印刷(略してシルク印刷)は、インクを版(スクリーン)を通して素材に押し出す「孔版印刷」の一種で、もっとも歴史が長く、現在も多くの現場で採用されている印刷方式です。

印刷する対象が綿であれポリエステルであれ、インクの厚盛りが可能であるため発色が非常に良く、紫外線や雨風にも強いのが特長です。長期間使用される屋外看板や案内板、工業用ラベル、さらにはスポーツウェアやトートバッグなどの布製品にも広く使われています。

ただし、写真やグラデーションのような微細な階調表現には不向きで、線画・ロゴ・文字といったシャープな表現が得意です。大量生産に向いており、色数が少ないデザインであればコストパフォーマンスも優れています。

シルク印刷についてより詳しく知りたい方は、下記ページもご覧ください。手順などを写真も含めて掲載しています。
>>シルク印刷とは?特徴と仕組みを解説

また、布生地への印刷方式の選び方について全体像を把握したい方は、以下のコラムも参考になります。こちらも是非ご覧ください。
>>布によってプリント方法が変わる?

昇華転写印刷

昇華転写は、専用インクを一度転写紙に印刷し、その上から熱と圧力をかけて気化させ、生地にインクを浸透させる方式です。ポリエステル素材との相性が非常に良く、洗濯しても色落ちしにくい点が評価されています。

Tシャツ、ユニフォーム、のぼり旗、テーブルクロスなどによく使われており、柔らかな風合いを保ちながらフルカラー印刷ができるのが大きな利点です。一方で、綿やナイロンなどポリエステル以外の素材にはインクが定着しにくく、基本的には対応できません。

昇華転写に関しては、以下のコラムで詳しく解説しています。
>>ポリエステルへのプリント方法とは?

熱転写(カッティング転写)

熱転写は、カッティングプロッタなどで作成したシート状の転写材を、専用のプレス機で熱圧着する印刷方式です。シート自体にインクや塗料が乗っているため、デザインを切り抜いて貼り付けるようなイメージです。

綿にもポリエステルにも対応でき、1枚からの小ロット製作にも向いています。ただし、熱転写シートの表面感が若干残るため、ナチュラルな風合いを求めるアパレル系にはやや不向きな場面もあります。

企業ユニフォームの名入れや、イベントTシャツ、ゼッケンなどに広く使用されています。

インクジェット印刷

インクジェット印刷は、プリンターのように微細なインク滴を素材に直接吹き付けて着色する方式です。布の繊維に直接インクを浸透させるため、グラデーションや写真などの細かい表現にも対応可能で、カラフルなデザインにも適しています。

ただし、綿素材など吸水性の高い布地に比べ、ポリエステル素材ではインクがうまく定着しないケースがあるため、素材ごとに適したインクや前処理が必要になります。また、ナイロンなど撥水性のある生地では、インクのはじきやにじみが起こることもあり、専用の処理が重要です。

小ロット・多品種対応や試作・短納期案件に向いており、Tシャツやバッグなどへのフルカラープリントに広く活用されています。ただし、印刷部分の耐久性や色の鮮やかさは、使用インクや素材との相性によって大きく左右されるため、事前のテスト印刷が推奨されます。

用途別:素材×印刷方法のおすすめ組み合わせ

ポリエステルや綿(コットン)は、それぞれ異なる特性を持つため、使用目的に応じて最適な印刷方式を選ぶことが重要です。たとえば、短期イベント用のTシャツと、販促品として長く使われるトートバッグでは、適した素材も印刷方法も異なります。また、印刷したい内容(単色ロゴなのか、写真入りのデザインなのか)や、印刷後の耐久性、コスト面なども考慮すべきポイントです。

以下の表では、代表的な使用シーンごとに「どの素材が向いているか」「どの印刷方式が適しているか」を組み合わせて整理しています。これから印刷を検討している方は、素材選びと印刷方式選定の参考にしてみてください。

用途 おすすめ素材 適した印刷方式 備考
イベント用Tシャツ(短期使用) ポリエステル 昇華転写 白地ポリエステルなら鮮やか&コスト重視に最適
販促トートバッグ 綿(キャンバス) シルク印刷 ロゴや1〜2色印刷におすすめ
写真入りTシャツ(個人向け) 綿(白・黒) ダイレクトインクジェット フルカラーOK、少量でも対応可能
工場のユニフォーム ポリエステル混紡 シルク印刷 または 熱転写 耐久性重視、視認性の高いロゴ印刷に

このように、用途や目的によって最適な素材と印刷方式の組み合わせは異なります。シルク印刷をはじめ、昇華転写・熱転写・インクジェットなど、それぞれに適したシーンがありますので、実現したいデザインや使用環境を踏まえて選定することが大切です。印刷の種類ごとの特性を知っておくことで、より納得のいく仕上がりや使い勝手につながるでしょう。

まとめ

ポリエステルと綿(コットン)は、どちらも布製品に幅広く使われる代表的な素材ですが、その性質や印刷適性には明確な違いがあります。たとえば、ポリエステルは速乾性・発色・耐久性に優れ、昇華転写との相性が良好。一方、綿は吸水性や肌ざわりの良さが特長で、シルクスクリーン印刷やインクジェット印刷に適しています。混紡素材(T/Cなど)を選ぶことで、双方の長所を取り入れたバランスの良い製品づくりも可能です。

印刷の仕上がりや品質は、こうした素材の選定と印刷方式の相性によって大きく左右されます。デザイン内容や使用シーン、予算や納期など、目的に応じた組み合わせを選ぶことが、満足度の高い製品づくりの第一歩です。本コラムでは、素材ごとの特徴や印刷方式の仕組み、それぞれに適した組み合わせ例を通じて、選定時のヒントとなる情報をご紹介しました。

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